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「受験生」に勧めたい5つの自己暗示

【事務局長 福島 喜久】

最近、「自己暗示術」と大書された本に目が留まり早速購入した。作者は多湖 輝(たご あきら)さん。東大の哲学科大学院を出て後千葉大名誉教授、1昨年死去されていたが、テレビでの活躍、著書を通じて受験生への応援メッセージ等、読めば元気になる多湖氏の著書から得たいくつかのヒントを、忙しい受験生になり替わり(多分この手のハウツーものに目を通す暇がないのでは)現状打開の一助になればと考えている。

  • 時間的限界を自分の頭から消去

これは普段言われていることと真逆ではあるが、多湖氏によれば人間は往々にして「タイム・リミット」を意識しすぎるあまり目的への集中力がそがれ、かえって不安に陥る。これを多湖氏の言葉で「タイムリミット用語の自縛作用」と呼ぶ。受験生に置き換えるならば「~までに自分の弱いこの教科をやり、~にはこの教科の~分野を仕上げ……」「でも、9月の模試には思うように点が出なかった。」等々。自分が予定した学習計画が思うように結果に出ないことでかえって前述の「不安感」につながってしまう。この状態は受験勉強にはまさにマイナス。ではどうしたら良いのか、「自分に課した時間的限界をいったん頭から取り去る」そして毎日をとにかくコツコツと学習し続ける。このように物理的限界(タイム・リミット)を一旦締め出してみたとき、自由な解放された気持ちで、さらなる意欲と自分はこれだけできるという可能性が見えてくる。

  • 自分の目標大学は人の前ではっきり表明

一般にも意識され、受験生は結構はっきり言っている人もいるが、中には秘密主義や恥ずかしいという気持ちから、また高い目標だから自分の学力が少し近づいてからなどの理由で表明しない人も多い。しかし多湖氏の論に従えば、いくつかの例を挙げ、結論として他人にはっきりと表明した以上やらなければならないとより前向きに自分を駆り立てることができる。

  • 自分の身の回りの整理整頓

昔からいわれている生活の知恵。しかし受験生は日常学習の煩雑さから机の上はテキスト、ノート、参考書の山、むしろ広げていることで「勉強やってる感」を自分に醸し出していることも。人間は物事に本当に集中しようとするときその視野に今やる以外の物があることは、当然集中力を欠くことになる。だからこそ学習する環境は整理整頓。この学習姿勢はそのまま頭の中の整理整頓にも直結する。

  • 受験勉強中の「スランプ」打開法

スランプは、プラトー(高原現象)ともいわれ作家が行き詰って横ばいとなった状態をさし、その状況から次の大きな飛躍のための準備段階と考えられている。やってもやっても芽が出ない。成績が伸びないという「スランプ」状態、そんなときの簡単打開策は次の2つ

1つは今まで学習してきたテキスト、ノート、試験答案のやり直した跡など、現在まで積み上げてきた自分の努力の跡を見る(眺める)

2つ目は前述の多湖氏の言葉にもある、「スランプは次の飛躍のための準備段階」

つまり人間が思いっきり高くジャンプする(跳び上がる)とき一旦身を低くして構える、自分は今はあの段階なのだと考える。

  • 具体的な目標

受験生にとっての「目標」は志望大学合格。しかしこの目標に到るまでの、より具体的な目標は模試に合わせて、受験教科の範囲の習得、しかし更に具体的な目標は月単位、週単位そして「日に分けての学習目標」、実はこれがタイトルの示す「具体的な目標」。やるべき受験勉強の全体を出した中で毎日に課した学習量を具体的な目標として淡々とこなす。これらを日々続ける結果として最終目標「志望大学合格」に着々と歩を進めていることになる。

※参照は多湖輝著『自己暗示術』

130のヒントとして人の日常的な悩み、社会における身の処し方等様々な角度から悩み解決のためのヒント集

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