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変わりゆく大学入試

【麻生本校 校舎長 土居 将士】

大学入試改革により大学入試センター試験が廃止され、2020年度から新たな共通試験「大学入学共通テスト」が導入されることはニュース等でも流れているので皆さんご承知のことと思います。とはいえ、これは現行の「センター試験」に替わる仕組みですので各大学の入試の仕組みはまた別ものになります。

大学入試制度の変更といえば、2020年度を待たずにしても毎年大学入試の変更は必ずあります。「「入試制度の変更」学部学科の改組・新設」「公立化」などがあげられます。

早稲田大学は政治経済学部で2021年度より数学を必須とし、私立文系で数学が必要になるという衝撃の発表がありました。福井県立大学は先月「恐竜学部(仮)」(※名称・設置時期未定)を設置するとの発表がありました。

当然、予備校業界ではその年の全体のトピックスを押さえて受験戦略を立てていきます。5月15日のコラムにもある「定員管理厳格化」においても入試状況にかなりの影響を与えてきます。こういった変更は毎年行われていきますので、予備校は入試状況を集約し生徒や高等学校に情報を提供しているのです。

道内の受験情報としては、千歳科学技術大学の「公立化」が話題となっています。道内の受験生は国公立志望が高い傾向があります。公立大学になると、学費が下がるなどメリット以上に「公立大学」というブランドがつくのが大きいです。札幌から通える公立大学となるため、相当な難化が予想されます。また、公立化を見据えての受験生も出てきますので、「公立化」する前に入学してしまうというのも一つの手段ではあります。

例えば、2016年に公立化した山口理科大学ではずっと定員割れ続きであったのに2015年公立化前年は2.5倍、公立化した2016年は倍率が9.1倍に膨れ上がったという経緯があります。地方の私立大学の公立化の流れは、2010年:静岡文化芸術大学、名桜大学、2012年:鳥取環境大学、2014年:長岡造形大学、2016年:山口東京理科大学、福知山公立大学、2017年:長野大学、2018年:諏訪東京理科大学、公立小松大学と年々増え続けて遂に国立大学の86校を上回り公立大学は88校となりました。

ただ、重要なのは、大学受験は「将来成りたいと思う、自分の道を切り開く」ための勉強です。情報を元におトクな大学を探すのも必要ではありますが、そもそも、中学受験・高校受験とは違い、職業の方向性が決まる大事が「大学受験」です。進路相談会や大学説明会、オープンキャンパスなど大学に触れる機会は多々ありますので、自分の進路探しに没頭してみてください。クラズユニックでは、7月27日(金)28日(土)に「受験情報フェスタ」(27日は札幌駅前エルプラザ、28日は麻生本校)も実施しますので、ご都合が合えばご参加頂けたらと思います。


著者プロフィール

千歳高校卒、室蘭工業大学工学部卒。一般企業営業職を経験し当校に勤務。教務担当として大学受験情報を研究し、10年に渡り道内の高校進路講演を数多く行う。現在、当校麻生本校校舎長。

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