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受験生に必要な「戦略思考力」のすすめ

【理事長 福島 新四郎】

夏から秋、いうまでもなく受験生には最も重要な時期を迎えます。一つの大事を達成するには、只々猪突猛進で突き進むのではなく、受験生皆に平等に与えられた時間を如何に上手に、効率的に使うかが重要です。そのためには今一度立ち止まって、事を進めるための考え方自体を見直す必要があります。今回、受験生に役に立つ「戦略思考力」を紹介します。

戦略思考力とは何か?(芝浦工大西村氏記述から抜粋)

戦略とは進むべき道を考えることです。努力する前にまず「何をしたいのか」「そもそも何をすればより成果が上がるのか」という素朴な疑問からスタートすることが必要です。

-中略-

戦略的思考は、今までの延長上で考えるワンパターン思考の対極にある思考法です。戦略思考の本質は、全体像を把握しながら最も効果の高い部分を見極めて、そこに時間と労力を投入するのです。戦略思考とは、目的を達成するために、「知恵を使ってよりよい解決策を導く思考法」です。目的を達成するためには、さまざまな障害が立ちはだかっています。障害を上手に乗り越えながら、問題解決のプロセスを描くための思考法(考えるノウハウ)を、戦略思考といいます。

-中略-

戦略思考は、与えられた問題に対して、AかBかを選択する単純な回答を求めるものではありません。今までの延長線上や単純発想では、解決できない問題が増えています。猪突猛進で、狭い視野のまま突き進んでも、間違った方向に進んでいるかもしれません。一生懸命やれば成果が出ると信じて突撃しても、障害に全速力でぶつかって思わぬ損失を招いてしまうかもしれません。今までの延長線上や単純発想にとらわれずに、少ない労力で目的達成や問題解決する柔軟な思考法が、戦略思考なのです。

以上の戦略思考を受験生に当てはめると、

〇「何をしたいのか」→志望大学に合格したい。

〇「何をすればより成果が上がるか」→志望大学の学力に不足している教科・科目を勉強する。

上記二点になるのですが、これに具体的な方法論を考える必要があります。なぜなら、時間が限られていること(浪人生は約10ヶ月)が前提であり、それに様々な障害(例えば集中力が続かない性格も障害です)に対する解決策を考えておかないと成就できないからです。

このため、

限られた時間に対する解決方法としては、ただやみくもに勉強をするのではなく、いわゆる教科設計(教科・科目ごとに、充てることができる時間数から目標点数を計算し、合計点数で目標達成をすること)が最も重要です。これには、700以上ある大学に対する詳しい入試情報が必要で、現実的にはこの点において予備校通いが必要になるかもしれません。

様々な障害に対する解決方法としては、それぞれにカバーする方策を考えておく必要があります。例えば、受験勉強にはマイナスに働く性格(良い意味でおおらかさ、悪い意味で雑さやいい加減さなど)には、まずは本人が自覚する、自覚させることが重要で、その上でそれを要所要所、それこそ勉強時間の使い方から答案作成の果てまで神経を使うことで補う必要があります。また、大学選択の場面では当然本人の意思も重要ですが、学費等の現実的な問題を含め、改めて保護者を交えた進路設計を詰めていく必要があります。

このように戦略とは進むべき道を具体的に考えることです。大学入試は将来の職業の方向性を決める大事です。戦略的思考は必要不可欠です。

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