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医学部不正入試問題に対する雑感

【情報室室長 高縁 博】

最近、大学関連で流された情報は、医学部の不正入試関連ばかり。私立大医学部では、大なり小なりありうる話なんだろうとは考えていましたが、予想以上の感じがしました。 田舎の医院の存続を考えると、杓子定規もどうなのかな、と思わないでもないのですが…。 跡を継げずに、地方の町にある虎の子の医院が潰れたりしたら困ります。しかし、どんな理由があってもやはり受験は公正にすべきであって、今回該当の受験生が憤慨するのは尤もです。

予備校に身を置く者としては、今回の医学部入試不正問題に関しては他人ごとではありません。 生徒たちが今年度入試合格者を少なくしてしまう大学が増えるということで、戦々恐々としております。不正な受験があった場合は、当該年は勿論その後への影響も計り知れず、 結局受験生が涙を呑む形で決着するのが常です。仮に「実はあの時は合格でした」と言われた果報な受験生が居ても、既に他大学に入学していた場合、入学金を含めて2度払いさせられるのは本当に間尺に合わない話だと思います。そもそも仮に損害を賠償していただいても、 失った時間はもう取り戻せないのですから…。さらにこの件に関して、私ごときが言うのもなんですが… 。多くの大学が不正な受験に手を染めてきたことが発覚して、被害者が声を上げても、結果的に「誰それが責任を取りました」という話が未だに聞こえてこないことが、大いに不満の残るところです。責任の所在を明確にして、今後に生かせるような大学入試を、心から望みます。

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