夏期講習会2週目スタート! ~ 理社は「暗記科目」なのか?? | クラズユニック

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夏期講習会2週目スタート! ~ 理社は「暗記科目」なのか??

小中学部の西野です。7月も最終日となり、夏期講習会も中盤戦に突入といったところです。
さすがに、生徒も我々も連日の暑さに疲弊気味ではありますが、みんな体調を崩すようなことはなく順調に授業も進んでいます。
さて、今日の中3の授業では、少々「暗記」についての話をしました。
とはいっても、「暗記」の仕方についての話ではありません。

よく、高校入試において、社会科や理科は追い込みがきく教科だと言われます。(これは同意です)しかし、その理由について「社会科や理科は『暗記科目だから』と言い放つ方がおられますが、これには全く同意できないのです。
そもそも、「暗記」とは何か? 私にはドラえもんのアンキパンの効能の如きもので、翌日あたりのテストのために狭い範囲の知識を無理やり頭に詰め込み、そしてすぐに全放出してしまうものとしか思えないのです。
ですが、長期的戦略で入試に立ち向かうためには、必要知識を頭に整理格納し、失わない、そして必要な時に導き出せる「知識が大切なのです。この作業は、入試に立ち向かううえで土台となる大事なものです。
更に、「知識」に関連事項などの枝葉をつけてやっと戦える「知識」となるわけです。言葉や年代を覚えることを「暗記」と言っているにしても、それだけでは入試問題にも学力テストの問題にも太刀打ちできないのです。
そういった知識を結び付け、使えるものにしていくのが授業の役割と考えています。

例えば、高校入試問題で頻出の歴史の並べ替え問題、こんな問題があったとします。(これは実際の入試問題ではありませんが)

次の歴史上の出来事を起こった順に並べ替えなさい。
ア 原敬によって日本初の本格的政党内閣が組織される
イ ロシア革命により世界初の社会主義国であるソビエト社会主義共和国連邦ができる
ウ 日本がシベリア出兵を計画する

答えはイ→ウ→ア となります。

ただ、これらの事項が1917年~1918年に起きていることを考えると何年に何が起きたかの知識だけでは答えられません。ロシア革命による社会主義運動の広がりを防ぎたい日本やヨーロッパ諸国がシベリア出兵を行い、その影響で、売り惜しみによる米価の高騰が起きた日本で米騒動が富山県から全国各地に波及、引責で総辞職した寺内内閣に代わり原敬内閣が成立…という因果関係を理解していないと答えられないわけです。

骨となる知識は自宅や自習室で覚えて、それらを結び付け使える力にしていく、そういった意味では、覚えた英単語が元となる英語や、公式を覚えそれを適切に使っていく数学も同じ。理社も知識の上に論理思考が求められる教科だと言えます。限りのある授業時間ではありますが、毎回そういったことを生徒の皆さんに伝えられるように心がけて教壇に立っています。


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