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<コラム>好きなこと、やりたいことを職業にするということ

【事務局長 福島 喜久】

現役生・浪人生には一歩早い話題だが、今春の大卒における高就職率(98%)が大きな話題となっている。

特に、文系学部の就職のよいことが今回の特徴とのこと。都内有名私立大学では、定員数の厳格化と合間って、今後、一層の難化傾向が予想されている。社会情勢が大学受験へ影響を与える一つの例である。

将来を見据えての大学選択が重要なことは勿論だが、社会の風潮にただ乗る形の受験大学選択は早計というのが私の意見だ。以前、文科省の主導で、小・中学校に「スクールカウンセラー」を配置する方針となった際に、その資格要件として臨床心理士の資格を設定したため、「心理学部」が人気となり軒並み難化したことがある。しかし、臨床心理士の資格は、合格率こそ60%程度とそれほど狭き門ではないが、通常、大学院までの進学が必要であるため、取得には比較的時間のかかる資格である。一方で、スクールカウンセラーは「非常勤」職員という待遇が一般的で、ある大学では学部卒業生の30%程度しか臨床心理士を志向しての大学院進学がないという。これらの現実により、受験生への影響は早い段階で鎮静化してしまった。文系高就職の話も、受験生にとっては敏感にならざるを得ない話題ではあるが、だからこそ世の中の風潮にただ乗っかるのではなく、自分の好きなこと(分野)を職業に結び付けられるような大学選択、学部選択をして欲しい。

 

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