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<コラム>受験生と歯の痛みについて①

【事務局/歯科医 関口 千史】

受験生にとって健康管理が大切だというのは当たり前の話ですが、歯の健康に気を配っている受験生はどれほどいるでしょうか。

2017年度学校保健統計調査では高校生の虫歯罹患率は47.3%と過去最低となり、年々虫歯は減少傾向にあります。この結果だけを見ると口の中のトラブルは少なくなっているように思われますが、実はそうでもありません。

受験生世代、つまり18歳〜25歳に多くみられる歯のトラブルは大きく分けて3つあります。

1つは虫歯、次に親知らず萌出による歯茎の炎症、そして歯ぎしりです。

虫歯は罹患率が減少していても、健常者と罹患者の格差は大きくなっており、虫歯がない人は全くないけれども、ある人は多数歯にわたる大きな虫歯がある、という傾向にあります。これは矯正やフッ素塗布などで幼少期から歯科医院に通う習慣のある人とそうではない人との間でブラッシング技術や歯に対する知識、いわゆる「デンタルIQ」に差があることが影響しています。

親知らずの痛みは受験生の年代と親知らずの萌出時期が重なっていること、現代人の顎が小さく萌出スペースがないことが原因とされています。下の親知らずが斜めに生えてきた場合には大きな腫れを生じる可能性がいつでもありますので、念入りなケアが必要です。場合によっては抜歯も適応されます。

歯ぎしりは頭痛や歯がしみる、歯が浮く感じがする、噛むと響くなど症状が多種多様です。特に歯ぎしりはストレスとの関係が深いとされていますので、強いストレスかかる受験生にも当然みられます。歯ぎしりの場合、症状は軽くても持続して不快な症状が続くため勉強に集中できない、などの支障をきたします。マウスピースなどの装着が必要となりますが、それについてはまた次回詳しく述べたいと思います。

歯の治療は長くかかることが多く、しかも放っておくと急な激痛や腫れを伴うこともしばしばです。受験当日にもし症状が出てしまったら…せっかくの努力が水の泡です。毎日のケアを欠かさないこと、そして、症状がなくとも余裕のあるうちに一度は歯科医院でチェックしてもらうことが大切です。


著者プロフィール

札幌北高卒、北海道医療大学歯学部、北海道大学大学院歯学研究院卒、歯学博士。北海道大学病院で歯科臨床研修後、札幌北楡病院歯科、札幌山鼻病院歯科に勤務。2015年より札幌市内歯科クリニックに勤務の傍ら、当校事務兼任。

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