【結論】北海道大学の道内高校出身の入学者は、2014年度の1,006人から2026年度の780人へ226人減りました。北大の公表データをもとに当校が試算すると、この減少の約9割(約200人)は既卒者(浪人生など)からの入学の減少にあたります。札幌の東西南北4校の北大合格者でも、現役は年250〜290人前後でほぼ変わらない一方、既卒は140人から61人に減っています。
2026年10月11日時点/出典:北海道大学「北大時報」4月号「入学者の道内・道外別及び卒業年度調べ」(2014年度・2020年度・2021年度・2026年度ほか)、北海道札幌南高等学校「令和8年度(2026)大学入試結果〈国公立大学〉」(2026年4月14日現在)、北海道札幌北高等学校「令和8年度 入試合格者数」(2026年4月7日現在)、北海道札幌西高等学校「2026年度入試 合格者数」(2026年4月6日現在)、北海道札幌東高等学校「令和8年度 大学入試 合格者一覧」
北海道大学で、道内の高校から入学する学生の割合が下がり続けています。8月のコラム「北大の道内出身者33.4%に低下」では、2026年度の前期日程の合格者に占める道内出身者の割合を紹介しました。今回は合格者ではなく入学者の数字を使い、道内出身者の減少を「現役」と「既卒」に分けて見ていきます。札幌で大学受験の指導をしている立場から、道内の受験生が北大を目指す道筋がどう変わったのかをもう少し深く考察したいと思います。
道内出身の入学者は12年で226人減った
北大は毎年、入学者を出身高校の所在地(道内・道外)と、卒業年度(現役・既卒)に分けて公表しています。2014年度と2026年度を比べると、入学者の総数は2,569人から2,588人でほとんど変わりません。その中で、道内高校出身者は1,006人から780人へ226人減り、道外高校出身者は1,522人から1,767人へ245人増えました。道内比率は39.2%から30.1%になっています。減った道内生の席が、そのまま道外生に置き換わった形です。
なお、前回のコラムの33.4%は「前期日程の合格者」に占める割合で、今回の30.1%は「入学者全体」に占める割合です。後期日程や総合型選抜も含む入学者全体のほうが、道内の割合はやや低くなります。
北大全体では、既卒からの入学が約3割減った
同じ期間に、北大の入学者全体では現役と既卒の構成も大きく変わりました。現役で入学した人は1,489人から1,843人に増え、既卒で入学した人は1,039人から704人に減っています。とくに大きく動いたのは2020年度から2021年度にかけてで、既卒の入学者は890人から706人に減り、その後は約690〜700人で横ばいが続いています。2021年度は、大学入試センター試験が大学入学共通テストに替わった年です。
道内出身者を現役・既卒に分けると(当校試算)
北大は、道内・道外と現役・既卒を掛け合わせた人数(たとえば「道内出身の既卒」)は公表していません。そこで当校では、北大が公表している学部・学科・選抜群ごとの人数を使って試算しました。各区分の中で「道内生と道外生の現役・既卒の構成比が等しい」と仮定し、区分ごとの道内入学者数にその構成比を当てはめて足し上げる方法です。
| 北大の道内高校出身入学者 | 2014年度 | 2026年度 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 合計(北海道大学の公表値) | 1,006人 | 780人 | 226人減 |
| うち現役(当校試算) | 約590人 | 約570人 | 約20人減 |
| うち既卒(当校試算) | 約410人 | 約210人 | 約200人減(減少の約9割) |

試算では、道内出身の現役入学者は約590人から約570人へ約20人減、既卒入学者は約410人から約210人へ約200人減となりました。減少226人のうち約9割が、既卒からの入学の減少にあたります。
この数字は実測値ではありません。正確な内訳は、北大が道内出身者の現役・既卒別の人数を公表しない限り確定できません。ただし、以下のような他のデータセットでも同様の傾向があり、この試算を支持します。
札幌の高校の合格実績でも、減ったのは既卒
高校側から公表された数字でも同じ傾向が確認できます。道内出身者の多くを占める札幌東・札幌西・札幌南・札幌北の4校について、北大合格者を現役と既卒に分けて並べました。2026年は4校の公表資料、2014〜2025年は各校の公表値をまとめた受験情報ブログの集計によります。

4校の現役合格者は、2014年が265人、2018年が288人、2022年が281人、2026年が277人で、年によって上下はあるものの250〜290人前後でほぼ一定です。これに対して既卒の合格者は、2014年の140人から2018年は98人、2022年は72人、2026年は61人と、半分以下に減りました。現役で北大に届く人数は変わっていません。減ったのは、高校卒業後にもう一度北大に挑んで合格する人数です。
このデータからわかること、わからないこと
ここまでのデータからわかるのは、道内出身者の減少が主に既卒からの入学の減少として現れているということです。減少分の内訳の約9割は既卒者であり、大きな偏りがあります。一方で、なぜ既卒からの入学が減ったのかは、今回の人数のデータだけでは区別できません。考えられる理由は複数あります。
・浪人を選ぶ人そのものが減った(札幌西高校では、卒業時に進路が決まっていない人、多くは浪人ですが、2013年卒の142人から2026年卒の76人に減っています)
・浪人して北大を受けたが、合格に届かなかった
・浪人しても、北大以外の大学に志望を変えた
・北大に合格しても、別の大学に進学した
ありうる順に並べてみましたが、確定的に言えるのは、既卒からの入学が減ったという事実のみです。ただ、北海道における北大という存在感と、実際の指導の現場から感じることは、下2つは考えにくく、浪人数の減少に次いで、やはり学力の問題が大きいと感じます。背景には、総合入試の導入(2011年度)で全国から受験生が集まり、北大の合格ラインが上がったことや、共通テストへの移行のころから全国的に浪人を避ける傾向が強まったことが考えられます。
道内の受験生にとっての意味
現役で北大に合格する道内生の人数は、ここ10年余りほとんど変わっていません。変わったのは、現役で届かなかった人が、もう一年かけて北大に入るルートです。そのルートを選ぶ人が減ったのか、選んでも届きにくくなったのかはわかりませんが、少なくとも「浪人すれば北大に入れる」と楽観できる状況ではないことは事実です。
北大は入学者の約7割が道外の高校出身という大学になり、道内生は全国の受験生と同じ席を争っています。もう一年北大を目指すと決めた人にとっては、相当覚悟が必要で、その一年の過ごし方を、前の年と同じ勉強の繰り返しにしないことが大切になります。この点については、次のコラムで考えます。
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よくある質問
Q. 北大の入学者のうち、道内出身者は何割ですか?
A. 2026年度の入学者2,588人のうち、道内の高校出身者は780人で30.1%です。2014年度は1,006人(39.2%)でした。前期日程の合格者に限ると、2026年度は33.4%です。
Q. 道内出身者の減少の約9割が既卒というのは、確かな数字ですか?
A. 北大は道内出身者を現役・既卒に分けた人数を公表していないため、当校の試算です。学部・学科・選抜群ごとに「道内生と道外生で現役・既卒の構成比が等しい」と仮定して計算しました。実測値ではありませんが、札幌東西南北4校の合格者数でも、現役はほぼ一定で既卒が半分以下に減っており、試算の方向性は一致していると思います。
Q. 浪人しても北大に合格しにくくなったということですか?
A. 今回のデータからは確定できません。確定的に言えるのは、既卒からの入学が減ったという事実のみです。というのは、その理由には、学力以外にも浪人自体を選ぶ人の減少、志望校の変更、他大学への進学などが考えられるからです。ただ、北海道における北大という存在感と、実際の指導の現場から感じることは、この中では、やはり学力の問題が大きいと感じます。
Q. 道内の受験生は、このデータをどう受け止めればよいですか?
A. 現役で北大に合格する道内生の人数が大きく変わっていないことは、ある意味良い事実に思います。相変わらず道内公立高校からの合格比率の高い現状を考えると、最近の大学入試全体でみられるような、先取り学習一辺倒ではなく、学校での学習進度を大事にしながら進めていってよいということだからです。一方で、北大は全国から受験生が集まる大学であることは事実ですので、常に、全国規模の模試で北大志望者全体の中の位置を確かめる必要があります。ただし、現役で届かない場合、つまり浪人を考える場合は、相当の戦略が必要です。その一年をどう過ごすかを具体的に計画しておくことが重要です。
クラズユニックの北大・大学受験対策(高校部)
高校部では、全国基準での立ち位置確認と共通テスト得点力の強化を軸に、現役合格までの学習を設計しています。学校の進度に合わせた個別の受験戦略もご相談いただけます。
出典
- 北海道大学「北大時報」4月号「入学者の道内・道外別及び卒業年度調べ」(2014年度・2020年度・2021年度・2026年度ほか)(一次資料/参照日: 2026年10月11日)
- 北海道札幌南高等学校「令和8年度(2026)大学入試結果〈国公立大学〉」(2026年4月14日現在)(一次資料/参照日: 2026年10月11日)
- 北海道札幌北高等学校「令和8年度 入試合格者数」(2026年4月7日現在)(一次資料/参照日: 2026年10月11日)
- 北海道札幌西高等学校「2026年度入試 合格者数」(2026年4月6日現在)(一次資料/参照日: 2026年10月11日)
- 北海道札幌東高等学校「令和8年度 大学入試 合格者一覧」(一次資料/参照日: 2026年10月11日)
- 塾ブログによる札幌公立トップ校の北大合格者数(現役・既卒別)の集計(2014〜2025年)(報道・解説/参照日: 2026年10月11日)
- 日本の学校(JS88)「札幌西高校 卒業後の進路」(報道・解説/参照日: 2026年10月11日)
- 北海道新聞「北海道大学『学生の非道産子化』進む」(2026年5月22日)(報道・解説/参照日: 2026年10月11日)
- 北海道新聞 北大入学者の道内出身者割合に関する記事(2022年5月10日)(報道・解説/参照日: 2026年10月11日)
- 代々木ゼミナール 教育総研 note(2025年度入試の分析)(報道・解説/参照日: 2026年10月11日)


